僕が本を読まない理由について。
ーーー 本屋が好き。本屋にいくと興奮する。 青山一丁目のオフィスから麻布十番の自宅まで歩いて帰るのだけれど 三軒ほど本屋をハシゴする、立ち読みツアーでもある。 情報っていうのは偏在していて、 質の高い情報が凝縮されている所もあれば、 意味のない情報が散在している場所もある、と。 やっぱり圧縮された情報に触れているときは、 自分のその時間もぎゅっと圧縮される。 良い映画を観るときや、名作古典を読むときはやっぱり時間が濃い。 本に関していうなら、多分目次には、内容が凝縮した形で見出しとして並んでいて”濃い”。 なので、目次を読むのが好き。 同じ理屈で、本の題名/タイトルには、目次をさらに凝縮させたようなメッセージがワンフレーズになっていて濃い。 そんな濃いタイトルが、無数に並んでいる本屋というのは、本当に情報密度が濃い空間だなあと思う。 そういうわけで、本屋で背表紙を眺めながら過ごす時間、 そうしながら考え事をする時間がとても好き。 ーーー 最近思いついたもう一つの仮説。 本を読んで、得る情報、というのは大きく3つの要素から成っていて、 その3つの構成が理解できれば、もうそれ以上細かく見ても新たな情報は少ない、のではないかと。 僕がよくやる、広く端っこにある三点で世界を押さえておけば、あとは大体推測できる、というやり方。 その3つ、というのは、 ①どこから(視点) ②どこを見て(対象/範囲) ③何を言おうとしているか(メッセージ) というもの。 本は作者の意図を読め、といわれたりするので ③のメッセージに集中すればいいのかな、という気もしたのだけれど、 自分が本を読んで何を感じ取ろうとしているか、を考えてみると、それはそんなに重視してなくて、 実は、①と②に関心がありそうなのであった。 人間は視点をどのように持ちうるのか、とか、 何に関心を持つんだろうか、とかそういうのに興味があるんだな。 そういうわけで、本はぱらぱらっと読んでみて どんな視点で、何について書いてるか、が大体分かったら それで満足してしまうので、立ち読みで十分だったりするんだな。 その著者の、視点と対象、が分かったら、 コンテンツについては大体推測できる、ということかもしれない。 ーーー 本当にだらだらしたので、もう寝よう。 おやすみなさい。 ーーー ーーー そして僕はあることに気付く。 この文章が面白くないのは、 何の視点で、何に対して、書いているか、が ぶれているからに違いない。 モノゴトを見るときも、書くときも、 何の視点で、何に対して、 というのが、内容以上に大事なのではあるまいか。 ーーー 問題は、だらだらという”書き方”にあるのでなく、 また内容のつまっていなさ、にあるのでもなく、 その”位置づけ”にあったのだろう。 ーーー その関係性は、「何と何の間」に在るのか? ーー ーーーー ーーー追記ーーー たぶん、位置づけが明確であること、がまず大事なんだと思う。 それは、例えば 自分から、自分に対するもの(ひとりごと)、であるのか 自分から、世界に対するもの(世界観)、であるのか 自分から、他者に対するもの(メッセージ)、であるのか 世界から、自分に対するもの(反省/リフレクション)、であるのか、 世界から、他者に対するもの(法則/コツ)、であるのか、 etc, etc, 読みにくい文章、っていうのは、こういう位置づけがグラついてることが多い気がする。 読み手は、かなり書き手の視点に拠っている。無意識にそれを把握している。 だから、途中で予告なく視点が入れ替わっていると、メッセージを受け取ることが難しくなるのだと思う。 自分は、どこから、どこへ向けて、考え、発信するのか、 というのをちょっと意識的にやる実験、をしばし試みてみる。 どんな位置づけのアウトプットをどういうときに使うべきか、について ーー追記ーー あと、そもそも、何のための、っていうのは間違いなく大事だな。 それについて、またちょっと意識的になったほうがいいかもしれない。 意図も大切にする。
by kuniakimat
| 2006-09-07 01:49
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