そのとき必要な答えを出そうする、自分の経験した手触り、直観、思考を総動員して考える。
と同時に自分がそれを導き出している根拠、思考プロセスを意識する。 その思考が、然るべきものであるべきかをチェックする。 然るべき思考かどうか、を考えて煮詰めていくと、 それはどんな状況でも当てはまる考え方かどうか、というところにいきつく。(たぶんそうだと思う) そうして、一般的、普遍的な定理にのっとった判断であるかどうか、 という基準に基づいて答えを出していく。 その一連の思考のなかで、主観や特別性というのは排除されていく、 自分の判断は、客観的な検証結果へと置き換えられていく。 その好き嫌いはあるだろうけれど、その積み重ねが再現性のある成果の源になっていく。 学者や責任ある専門職というのはそういう仕事をしている。 ーーー ひさしぶりに一つのフレームワークを思い出した。(上の話とはあまり関係ない) 自己範囲曲線というもの。 自分のとある距離にある対象と、自分自身の感情がどの程度連動するか、を表す。 横軸に「自分との距離」をとる。自分ー関係(仲間、第三者、敵、環境)ー絶対(理、美)、と遠ざかっていく。 縦軸に「感情連動係数」をとる。その対象の状態がよく/わるくなったときに、自分の感情がどのようによく/わるくなるか、の係数であり、 距離=0である自分で1となり、距離が遠くなるとともに一般的には小さくなる。 あるところで0になったりマイナスに転じたりもする。 この曲線によって人間の価値観をタイプわけすることができて、 それは興味深いかもしれない。 そういうカテゴライズにこっていたことがあった。 でも僕が本当に関心があるのは、何によってこの曲線が形成されるのかという点であって、 それでなんとなく考えが行き着いたのだけれど、 結局のところ、感情連動係数は、その対象への「感謝」によって決まるのだと思った。 学生時代に似たことを考えていたとき、自己範囲は、自分を形づくったもの、影響したものを自分自身と感じる、と捉えていたのだけれど、 実際には影響されているかとかいう「事実」ではなく、(感情の話なんだからあたりまえなんだけれど)、 どう「認識」しているかで決まる。 実際には、本当に自分を形作るほど影響されたものに対しては それが自分にあまりに自然になってしまってるから、そのことにかえって気づきにくいのだ。 そして、自分を形づくってくれた、という認識は、「感謝」と呼ばれるものとほぼ同意なのだと思う。 いいたいことは、とてもあたり前のことなんだけれど、 自分は何によって育まれてきたのか認識しよう、感謝してみようということ。 自分は自分が作ったのでなく、家族に、仲間に、組織に、敵に、人間に、環境に、自然に、宇宙に、美しさによって育まれて来たのだと知ること。 そうしたとき、その対象の状態がよくあることを自分の幸せだと感じることができるようになる。 それが対象を愛するということだと言ってもいいのだと思う。 愛の大きさは、感謝する心によって育まれている。 ーーー ーーー フレームワークは切り刻むためにあるのではなく、 本質の理を知るための思考プロセスなんだろう。 ーーー 自分が手触りで掴むものと、 光に照らして見るもの。 どちらに本質があるかというと、たぶんどちらでもないし たぶんそんなふうに切り分けるなんてナンセンスだと思うところに 本質らしきものが見え隠れする。 ーーー 「私は、言葉なんて信じてない。 言葉を使いこなせるからこそ言葉なんて信じない。 言葉なんて言葉遊びなんだから。 でも、あなたと遊びたいから、言葉を求めてもいい?」
by kuniakimat
| 2006-03-04 17:17
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