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「君はまだ自分を美化して守るための思い込みから抜け出せないようだけど
それは押し付けでも正義でも悪でもなく、
ただ自分の心に正直でいようとした結果のこと
世界を広げることによる受容はしても
基準を下げることによる妥協はしないんだよ。
若くともそれなりに生きてきたんだし
譲れない美学は多かれ少なかれ持っていて、
互いに譲れないものを抱えた人間同士が距離を置く
というのは適切な判断だと思うよ。
何が正しいとか言っているのではなくて、
あなたは僕の美学をもって、許せないことをしたし、
僕もあなたから見て許せないことをしたんでしょう。
ただそれだけのこと。
自分が絶対的に正しいなんてことは、僕にも君にもない。
ただそれぞれの美学をもって受容できなかったということ。
いつか世界観の変化とともに美学も変わるかもしれないし、
僕と君のありかたも変わるかもしれない。
その可能性を否定する必要は全然ないけれど、
今は、そういうことなんだ」
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そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。