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読書抜粋メモ 「愛と心理療法」

いうまでもなく、誇張とは欠落の証明である。

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親が子供に注ぐ時間とその質は、どれだけ親に大切にされているか、を子供に示す。根本的に愛のない親は、自分の関心のなさを包み隠そうとして、たえず子どもへの愛を公言し、いかにおまえが大切かと繰り返し機械的に子どもに言ってきかせる。しかし質の高い意味のある時間を与えようとはしない。子どもがそのような虚しい言葉に完全にだまされることはない。意識の上では愛されていると信じたいので、親にすがりつくかもしれないが、親の言葉が行動とつり合っていないことを無意識に知っている。

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無分別に与えて甘やかすには、多くの動機が隠れている。しかしその場合、共通の基本的な特徴が必ずある。「与える側」が愛の名のもとに自らの要求を満たし、受ける側の精神的要求を考えていないことである。

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子どもをないがしろにしている人に限って、自分をとても愛情深い親と思っている。愛と愛の感情を混同する傾向に、利己的な性質のあるのは明らかである。自分の感情の中に愛の証しを見出すのはたやすい上に快い。行為の中に愛の証しを見出すのは、難しくかつ苦しい。しかし本当の愛は、一時的な愛の感情やカセクシスを超越した意志の行為だから、「愛はその為すところのものである」という言葉が正しいのである。愛と愛でないものは、善悪がそうであるように客観的な現象で、もっぱら主観的な現象ではない。

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心の健康とは、あらゆる犠牲を払っても現実に忠実であろうとする、生きた過程である。



(M.スコット.ペック)
by kuniakimat | 2011-07-05 00:30
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