邪悪な欺瞞が社会の中で強大化し続けることが可能だったのは、
それと正反対の性質の演技が組み込まれているからである。 怪物の成長サイクルの重要要因の一つがその偽弱的演技である。 その強さと邪悪さの本質は、他者を陥れることによって自らが弱き善良性を装うこと、にあるように思う。 怪物が他者を喰い殺し続けて成長するサイクルを理解することが何かの役に立つのではないか。 怪物の成長は、a偽善⇒b利用⇒c搾取⇒d謀殺⇒e偽弱+a偽善⇒b利用⇒・・・ というサイクルを他者およびコミュニティを乗り換えながら回すことで維持されている。 a偽善:現実の自己を省みない自己愛の怪物は、現実を引き受けている人間には到達しえない美しい自己像を構築している。実態は存在しない偽善に違いないが、その創作は高度な自己欺瞞と演技力によって人を魅了、影響するまでの力を持っている。 b利用:内部が空洞である怪物は内発的に価値を生みだすことができない。他者を魅了し、利用することで自らの成果を確保する。それによって成功者を偽装することで魅了する力を高める。欺瞞と利用のコミュニケーションは天才的な水準に高められている。 (利用されていても楽しいかのように感じさせるまでの能力は正しく発揮されれば大きな価値のあるものかもしれない。実際にbのプロセスにとどまっている被利用者は怪物を高く評価していることが少なくない) c搾取:怪物は自己のために他者を犠牲にすることに躊躇がない。長期的な利用対象と見なした他者は、恒常的な搾取の仕組みに取り込まれる。その搾取を隠蔽し、関係を正当化する創作と洗脳に努力が向けられ、欺瞞を強化するための断片的な証拠づくりやアピール、愛情や信頼の演技が続けられる。実際には、怪物の目的は自己愛を満たすことにしかない。その主張に公正、公平や正義、倫理観は介在せず、こじつけと交渉によって搾取の寄生を持続させようとする d謀殺:犠牲者がいずれその不当性、利己性の事実に疑問を呈し始め、怪物にとって持続的な搾取のうまみがなくなったとき、その切り捨ては最も残虐な形で行われる。欺瞞で勝ち得た信頼によってアクセスしうるすべてを泥棒、詐欺師さながらの手口で奪いとり、相手の持つものを容赦なく破壊する。そして何より恐ろしいのは、犠牲者を(架空の罪をねつ造し流布するといった手口で)陥れ社会的に抹殺することである。冤罪によって相手を陥れ、口を封じることで、犠牲者に見抜かれた本性の漏えいを防ぐ。自らの評判が怪物にとって生命線であるため、この謀殺は巧妙な戦略性をもって全力で執行される。その残虐性、利己性、非人間性に犠牲者は度肝を抜かれるのであるが、そのことが広く語られることはない。この見事なまでの冤罪には、語られることの不能化、が組みこまれているのである。 そんなことがあり得るのだろうか、とあなたが思ったなら あなたもこの怪物の完全犯罪の餌食であり協力者になっている可能性に注意してほしい。 この手口は語ることがその性質上困難である。困難であるように設計されている。語ろうとしてその難しさに直面させられる。それでも、その呪縛を是としてじっとしているわけにはいかない。語ろうとする努力のなかで突破口を見つけなければいけない。 他者への冤罪を含むこの卑劣な攻撃は、それと指摘することができない形で巧妙に実行されていく。 それは衝動でなく計画的に行われる。 事実がすべて明らかになれば、客観的正義がどこにあるかも明白である。 しかしそれだけの不正であるにも関わらず、事実に基づく糾弾が、逆に犠牲者の傷を深めるだけの結末に導く欺瞞の能力を怪物が有している。 「いくら悪であっても戦ってはいけないもの」、として怪物は存在する。 e偽弱:謀殺を含む計略によって、怪物はこの時点で”偽犠牲者”としてなりかわっている。自らが喰いものした犠牲者を悪の加害者にしたてあげ、自らを、弱く、傷ついた犠牲者として関係者や新たな他者のなかに位置付けることに成功している。この偽弱性と、aの偽善性による欺瞞によって同情を勝ち取り、また新たな餌食を利用し、搾取し、謀殺していくのである。自分が”被害者”であり”守られるべき”存在であるという虚構を見事に演じてしまう。事実をいとも簡単に踏み越えて立場をすりかえてしまう演技と心象操作の力は驚異的である。 こうして怪物はまた新たな欺瞞のサイクルへ入っていく。 a偽善⇒b利用⇒c搾取⇒d謀殺⇒e偽弱+a偽善⇒b利用⇒・・・ このサイクルは数年という比較的長期のものであり 大都市のなかでコミュニティを乗り換えながら行われている。
by kuniakimat
| 2011-05-29 21:03
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